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女子高生

いつものバス停。
僕は少し退屈そうにバスを待っていた。

ただいつもと違ったことは。
セーラー服できれいな長い髪で優しい瞳をして
人一倍鮮やかな色をした少女が
僕の隣で、バスを待っていた。

ただ、それだけのこと。

暫く経ってから遠くの方で、いつものようにバスのエンジン音がした。
少女と僕はバスに乗り込んだ。

ただいつもと違ったこと。
不意に急発車したバスに揺られ、少女も一緒に揺られて、
その細い腕に掲げられていた重そうな通学カバンから
赤黒い液体がこびりついた黒光りする物体が
滑り、落ちた。

ただ、それだけのこと。
by haccax | 2004-08-23 10:21 | 飴缶(文)


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